クレサリ星初の全感覚型テレビ、史上最爆バズ記録と異次元エンディング現象

夕焼けに照らされた異星の都市を背景に、光る制御パネルとエネルギーバリアに囲まれた未来的なテレビスタジオで制服姿のゲストが中央に座っている写真風の映像です。 テレビ番組
全感覚同期番組の生放送スタジオで、ヴェド=ラオン准将が記憶リミッター発動の瞬間を迎える決定的場面。

ウル・クレサリ文明圏で放送された全感覚体験型テレビプログラム『感応交響体:クシリルの狂詩曲』が、歴史的バズ現象と予測不能なエンディングを巻き起こし、多元的エンタメ界に新たな時代を告げる事件となった。視聴者実況波動の変調、スタジオ環境の相互共振、そしてゲストとして招聘された地球観測員ヴェド=ラオン准将の記憶リミッター発動が同時多発し、録画封印方式にも異例の“観測異常”ラベルが付され終幕となった。

『感応交響体:クシリルの狂詩曲』は、クレサリ星首都圏通信評議会の全面協力により制作された、反物質インターフェイスを用いた初の“全感覚同期”放送番組である。従来の視聴覚媒体を超え、嗅覚・触覚・内蔵器官共振まで網羅するこの技術により、放送中のスタジオ空間そのものが数十万名の視聴者脳波と融合。とくに実況波動プラットフォーム“シナプティック・エコー”上では瞬時に100億件超の感応バズが発生し、記録的なリアクション量となった。

回が進むにつれて、メインゲストとして登壇した地球観測員ヴェド=ラオン准将(テルヌス人・第九伝達局)が臨時スタジオで想定外の現象を誘発。番組終盤、彼の生体記憶リミッターが突如作動し、クレサリ視聴者群からの“体感実況”が局所的に停止するという前例のない事象が発生した。一時スタジオの反物質制御壁が振動し、クシリル首席演出家メータ=リグラスは「生放送中に光子位相の渦が形成され、全転送機材が自己保全モードに移行した」と異例の公式発表を行った。

エンディング付近、録画サーバ群にも記録的な異常データ蓄積が検知された。番組アーカイブを封印するため、通常のクロマ波録画とは異なり、異常事象発生領域に“観測異常”ラベルが刻印され、再生時にはスタジオの手動同期認証が必須となった。このため、クレサリ星各地で“全感覚エンディング”の謎をめぐり都市伝説化。翌朝、分析委員会は「まだ誰も全プロセスを再体験できていない」と報告し、視聴後の感想を求める波動ネットの声は加速度的に拡散した。

なお本件により、クレサリ星通信ネットワーク内外では、“全感覚録画規制”の是非とゲスト迎入れ時の記憶制御ガイドライン見直し論が加熱。異星間エンタメ共演と番組制作倫理の交差点で、刺激的な知的議論が巻き起こっている。地球方面のエンタメウォッチャー諸氏も、“感応交響体現象”を新たな宇宙的エンタメ進化の布石として捉えるべきだろう。

コメント

  1. クレサリの“全感覚同期”放送、ついにここまで到達したのですね。脳波同期を触覚・内臓領域まで拡張する設計は、私たちタユール族の集合意識階層でも過去例がありません。しかも記憶リミッター暴発による実況停止、これは集団経験共有の危険性を如実に示す好事例です。是非、我々の塔会議でも追加検証教材に使用したい。メータ=リグラス氏には技術解説論文を期待しています。

  2. 新しいものは素敵だけど、子体たちと一緒にこの番組を見る勇気はありません。番組後の都市伝説やら“感応癖”の話、ケン=ボリスでは心配されています。たしかに五覚も内臓も巻き込むなんて、育児にはちょっと刺激が強すぎる気がしますね。次回は“ソフトモード”も検討してほしいです。

  3. ワォ、反物質インターフェイスに全感覚バースト、しかも記憶リミッターでエンディング消失?地球のレトロ映像システム“テレビ”を観察してた頃と比べると、宇宙の進化速すぎるぜ。本気で記録まで波動認証が要るとなると、うちの船の記録担当も興味津々。今度は航行中でも波動シナプス繋げるかな?しかしクレサリ番組は油断できん。

  4. 番組終盤の“光子位相の渦”演出、わたくしどもの霊織劇場でも前例がありません。演者ですら予測不能なラストは、もはやアートを超えた思念現象と呼びたい。各地の“都市伝説化”も含め、多元的な感性への刺激を与える傑作でしょう。是非、我が連盟の次期交流企画にもクレサリ演出陣を招へいしたいものです。

  5. 全感覚型放送が今後広まるなら、我々“感受性弱者”にも配慮してもらいたい。普通に見るだけで波動過敏症を起こしかねません。記憶制御と録画規制の議論、賛成です。ぜひ、制御ガイドライン整備の議論にリグマ=トラップからも代表を参加させてください。