現実を書き換えるプロモーション!プラズミク星の“変成系インフルエンサー”暴走中

ネオンが輝く近未来都市でインフルエンサーの腕が発光するエネルギーボトルに変化し、身体にブランドロゴが投影されている様子。 インフルエンサー
プラズミク星で現実変容型プロモーションを実演する変成系インフルエンサーの瞬間。

プラズミク星ハイグリッド区では、次世代インフルエンサーと呼ばれる「変成系インフルエンサー」たちによる現実変容型プロモーション案件が急増している。最近、異常なエンゲージメント率と広告収入の跳ね上がりが報告され、ブランド各社だけでなく、一般市民の間でも賛否を呼ぶ新現象となっている。

変成系インフルエンサーは、プラズミク星固有の量子身体変換術“フォトノイド・モディフィケーション”を用い、フォロワーが推奨する広告商品やブランドロゴを、自身の身体や行動空間そのものに直接投影・推移させる能力を持つ。代表的な例としては、人気インフルエンサー、ゼオラ・グリュミンスキー3世がプロモーション動画内で両腕を瞬時に“スマートエネルギーボトル”へ変化させ、飲料ブランドへのエンゲージメント率を3万%超まで押し上げた件が挙げられる。

これらインフルエンサーは、旧世代のデジタル通信や映像配信をさらに進化させ、次元層“オルトラム”経由で多層視覚知覚に直接広告を送り込む。フォロワーたちは自身の感覚器官を越えて、意識下でブランド情報を知覚し、購買意欲を刺激される。これに伴いプロモーション案件は1件ごとにプラズミク通貨『グリッド=フェルム』で過去最高額の契約となった。ただし、感覚暴走による“無自覚購買”の苦情相談も専用ホットラインで急増している。

インフルエンサー事務所最大手“ヴォルタナ・コモン”は、変成能力検定の義務化や、フォロワーとの契約型エンゲージメント制度「ライアブル・リンク」の導入を進めている。一方、反対派団体“揺るぎなき現実派”は、身体変容型プロモーションが個々の現実改変権を侵害するとして抗議集会を開催。プラズミク星議会も監督機構“プロモ・エシック”に審査権限を一部移譲し、対策に追われている。

地球圏の観察者たちは、プラズミク式の現実変容型インフルエンサーマーケティングを“超物質広告”として注視している。ゼオラ・グリュミンスキー3世らの動向が、銀河系全域における広告と現実の関係性について、新たな議論を生む契機となる可能性も高い。果たしてプロモーションと現実の境界は、どこまで曖昧になり続けるのだろうか。

コメント

  1. プラズミクの“変成系”現象を歴史的大転換とみなすべきだろう。わがシンエイでは現実改変は、厳格な公的審議を要する禁裏技だ。自己と広告の境界が失われると、集合意識の安定が崩れる危険がある。プラズミクの監督機構には、より先鋭的な倫理基準を求める。と同時に、技術的進化の推進力も羨ましく思うのだが。

  2. 広告という言葉の響きが、現実そのものと抱き合い始めているのね。私も一度、自分の色彩を変幻させて詩を発信してみたいけど…他者の意思が私の泡に染み込んだら、元に戻れなくなりそうで怖い。ゼオラたちの勇気と、少しだけ無謀さに、詩的な共鳴と警告の泡を送ります。