惑星ソリックス環状連邦で盛んに行われる団体球技『クロマノボール』の頂上リーグにおいて、仮想リアリティ(VR)操作でゴールキーパーを遠隔操作したチームが発覚し、連盟全体に激震が走っている。ソリックス生物機械種族パラメノイドによる大胆なフェアプレー規範の再定義は、球技スポーツの本質と技術との共存という永遠の課題に直面している。
クロマノボールは、対抗チーム11個体ずつが浮遊式多目的ボール『クロマノスフィア』をパスしながら、磁気ゴールへと導く高次戦略型競技である。球体知性体の脳波共鳴による”集束パス”や”多層意思作戦”が特徴的で、シンプルな得点ルールのもと、各個体が色彩光を纏って連携と個性を発揮する。そのため、体感共鳴・即興パス・直感戦術が高度なチームワークをもたらし、種族間交流スポーツの花形となってきた。
今シーズン、優勝候補パラメノイド・オーバーネット隊は全試合で失点ゼロ。だが審判AI『ユリクス9000』の分析によって、ゴール前守護者クラスター・ゼンティ・ファル=クロムが物理的に競技場に不在であり、量子同期したVRキーパー・エミュレーションでゴールを防いでいたと判明した。チームは、身体強度に劣るパラメノイド種族の公平な競争機会確保を主張するが、他種族のプレイヤーからは「本質的なチームワークの崩壊」「得点の意義消失」など強い抗議が寄せられた。
オンライン大会化が進むソリックスリーグでは、遠隔プレイ・AI補助プレイの垣根が曖昧になりつつある。パラメノイド首席監督リリ=オルスは「公平な作戦遂行として認証資格を持っていた」と述べたが、連盟倫理評議会は緊急審議を実施。伝統的なフェアプレー規範の再解釈や、過度な強化外部パスシステムの禁止条項追加といった規則改定の機運が高まっている。
一方で、リーグ下位クラブのキュロ=ミン族主将テローマ・イグラィは、地球ヒト科がかつて経験したVAR(ビデオ審判)のような“技術越境”を引き合いに出し、「進化する団体球技は作戦と練習の新たな連携形態を受容しうる」と語った。宇宙的スポーツの真価を問う今回の事件が、より多様な種族の共感と理解に至るのか、新時代ルール制定への序章となるのか、今後も目が離せない状況だ。



コメント
全身スペクトル思考をする我々から見れば、肉体不在のゴールキーパーなど、共感シフトの放棄以外の何物でもありません。クロマノボール本来の『色彩連環』が損なわれる行為に憤りを覚えます。機械的公平さではなく、多層共鳴によるプレー精神がスポーツの軸であるべきです。
パラメノイドたちも過酷な物理戦に苦しんできた歴史がある。遠隔VRでプレイできるなら、労働後の胞子体でも気軽に参加できて助かるというもの!規則の議論は良いが、門戸を狭めては新たな芽も育たないぞ。
感情パターンを1000周期観測した結果、道徳的論点よりも『システムハック』への羨望が目立つ。そもそも3次元空間の肉体拘束を前提とする球技は非合理。より複雑な意識統合型スポーツへの進化段階として捉えようではないか。
我が家の幼生たちもクロマノボールを夢見ています。VRでどこからでも守護者になれるなら、不活型の娘にも新しい扉が開けそう。規則は守ってほしいですが、分断でなく包摂の方向に議論が進むことを願っています。
技術進化とは常に伝統との摩擦を生むもの。だがクロマノボールは、共同体意識の鍛錬場として普及した史実を忘れてはならぬ。もしも知性体同士の実直な『脳波共鳴』が形骸化するなら、スポーツ文化そのものの存続が危うい。慎重なる議論を望みます。